『嫌オタク流』書評
  『嫌オタク流』書評   最近何かと注目を集めているオタクをバッサリ切り捨てた鼎談集、   それが『嫌オタク流』です。   第一部は、中原昌也,高橋ヨシキ,海猫沢めろんの3人によるテーブルトークで、   中原がオタクバッシング、海猫沢がオタク擁護という両極端な役回りを務めていました。   高橋もオタクに批判的であるため、議論は批判派が優勢でした。   以下、気になった部分をいくつか取り上げていきます。    中原:ありえないよ。       何をやっても自分がオタクになれたと思えるわけがない。       今だって自分がどういう人間なのか分かっていないんだから。   海猫沢:でも、誰でも勉強すればオタクになれる時代だと思う。       メンタリティまでは難しいかもしれないですけど。       丘サーファーならぬ丘オタクくらいには。   丘オタクはオタクとは認められません。   オタクの決め手はメンタリティであって、知識の蓄積量ではないと思います。   かなり昔に、アニメファンとオタクの差についての自説を述べていますが、   Tissは二次元キャラクターに対する執着度が分かれ目になると考えています。   二次元キャラの処遇に本気で一喜一憂する人。   二次元キャラ同士の色恋沙汰に本気で嫉妬する人。   「○○は俺の嫁」と平気でぶっちゃける人。   そんな人達こそオタクと呼ぶに相応しいと思います。   つまり、どれだけアニメを視聴しているか、どれだけ漫画を持っているかは重要ではなく、   どのように感じてどのように行動するかが重要だ、ということです。   オタクは努力して確実になれるものではありません。   海猫沢:オタク自身が、世間に上手く自分たちのことを説明できていないのにも問題がある。       村言葉での会話に慣れすぎて、逆に何も知らない人たちに、       誰でもわかる言葉で自分たちのことを説明できる人が少ない。       色々な人が興味を持って絡んでくるようになった今は、       誤解されないためにもがんばって説明していくことが必要なんじゃないかなと思います。   全く以ってその通りですね!   これは「オタク」を「ロリコン」に置き換えても成立する話だと思います。   かなり前から言い続けていますが、ロリコンが自ら発信することこそ、   明らかに歪んだ認識を補正する最善の方法だと思います。    高橋:だから俺が言いたいのは、別にいいんですよ、どんなグロいマンガでオナニーしても。       それは個人の性癖なんだから、妄想の世界は自由であるべきで、       「俺が脳内でどんな鬼畜なことを考えていても勝手だろ、バーカ」と言っていればいい。       ただ、それならそうきちんと主張するべきなのに、       「俺たちオタクは心が優しいんです。純粋なんです。        現実はDQNだらけなんです、でもオタクは世界に誇る文化なんです」       という腑抜けた主張をされると「ちょっと待てよ」と言いたくなる。   「オタクは心が優しい」というのは、DQNとの比較結果の上では事実でしょう。   ノリの良さや分かりやすい行動を見れば「オタクは純粋」というのも頷けます。   アニメや漫画に限らず、何かに熱中している様子は、傍からはバカに見えるものですから、   オタクは純粋であるがゆえにバカであるとも言えますね。   「現実はDQNだらけ」が真実ならば、日本は疾うに滅亡していますよ。   ただし、誰しもDQN的要素を持っているという意味ならば、間違いとは言えません。   日本独自の文化があったからこそ、オタクが生まれたわけですから、「オタクは文化」です。   世界に誇れるかどうかは、オタクをどう捉えるかによりますね。   当事者が誇らしげにしている様子は、人によっては滑稽に映るかもしれませんが、   自分を前向きに捉えることは良い傾向だとTissは思います。   海猫沢:オレが『電波男』を読んだ時に一番疑問だったのが、       モテない男 VS 現実の女性、という構図になっているんですよ。       だけどオレの実感として、それがまったく理解できなかったんです。       なぜならオレが二次元の女に萌え狂っていた時期は、       三次元の女の子にまったく興味がなかったから、       敵意も含めて一切関心を持つ必要を感じなかった。       だから、『電波男』を読んでいて       「なんでこんなに女性に敵意を持つのかなあ?        現実の女なんて関係ないじゃん、二次元で満たされているんだから」       と思ったんですけど。    高橋:本田さんの場合、       「みんな恋愛資本主義に毒されているのは良くない」と言っているんだけど、       一番恋愛にこだわっているのはどう考えても本田さんだろうと思う(笑)。   海猫沢:だけど、『電波男』に書いてあった本田さん自身のパーソナルな体験が本当だとすると、       確かにこういう考えに行き着くのも仕方ないかなとは思うんだけど。       本田さんのようなトラウマ体験のない若い読者が、       『電波男』を読んだことによってアイデンティファイしちゃうじゃないですか?       それは違う。       読者が「『電波男』はオレの気持ちを代弁してくれている!」と思ったとして、       「でも、おまえらは本田さんほど迫害された経験もないだろう」と。   首肯!   通常「現実の女性を嫌悪すること」と「アニメやゲームにハマること」に相関はありません。   『電波男』は一人のオタクの物語として読むのがベターです。    高橋:ここで基本的なことを確認しておきたいんだけど、「萌え」って要はポルノのことですよね?       国はそれを輸出してお金を稼ぎたいと言っているんでしょ?       じゃあ、そう堂々と主張すればいいのに誰もそうは言わないよね。   (中略)   海猫沢:国はエロマンガとエロ同人誌以外を売りたいんじゃないですかね。    高橋:でも結局、オタクの根幹はエロなんじゃないの。       萌えとか二次元とか言ったところで。   海猫沢:いや、違います。       高橋さんの発言でオレがまず理解できないのは、       萌えとセクシャリティ不可分にする感覚ですね。       萌えとエロは違うんですよ。    高橋:だって、「萌え」で画像検索するとポルノしか出てこないもん。   海猫沢:そこに誤解があると思うんですよ。       純愛の中にもエロい部分があるじゃないですか。    中原:そもそも二次元に対する純愛って何なの?   海猫沢:二次元に対する純愛、ありますよ。       オレは二次元のキャラクターのことを想って、好きすぎてヌケなかったことがあるんです!    高橋:それは何に遠慮しているんですか?   海猫沢:罪悪感にさいなまれて。       だから、そのキャラクターが自分の中では神だったんですよ。       オレはそういうのが本当の萌えだと思う。       オレは萌え原理主義者なのかもしれない。   重大な事実誤認があります!   「萌え」で画像検索してもポルノに該当する画像はほとんど出てきません!   確かにオタクは萌え画像をポルノとして利用していますが、萌え画像とポルノは別物です。   Tissは「萌えとはエロの前段階にあるもの」で、   萌え画像からエロ妄想できることはオタクの要件であると考えています。   (※オタクの中でも「萌え」の定義は非常に難しいとされており、Tissは二転三転しています)    高橋:今はオタクがビジネスになると思ったオトナたちが乗っかっているから、       オタク産業が盛り上がっているように見えているだけで、       実際はアニメ業界もマンガ業界もそんなに景気が良いわけではないと思うんだけど。       そういう意味ではヨン様ブームと一緒ですよ。       そこで、なんでオタクの間から「オトナに乗せられたらヤバイ」とか       「このままではダメだ」という声が聞こえてこないのか?       それが謎ですよね。   海猫沢:うーん、あんまり聞かないな。       この状況に対しては、オタクにしてみると「まさか」という痛快さがあると思うんですよ。       今なんてアニメの輸出を国策にしようとしているわけでしょう?       それが面白いって気分もあるはずなんですよ。       「まさか」と思っていたのがメインストリームになる楽しさって、あるじゃないですか。    中原:それは笑えない感じだな。   日本で数多くの漫画やアニメが制作&発表できるのは、それらが商業的に成功しているからです。   しかし、アニメの国際化が進むにつれて、   そうした環境が日本だけのものではなくなる可能性があります。   現場の人間もオタクも将来に危機感を持っています。   オタクバブルを弾けさせないために先手を打つべきですが、   現在の国策がそれに見合うものであるかは疑問の余地がありますね。   第二部の鼎談には、中原昌也,高橋ヨシキ,更科修一郎の3人が参加していました。   オタクに好意的だった海猫沢が抜けたことでオタク非難路線が一気に加速。   その暴走振りには何度もニヤニヤさせられました。   以下、気になった部分をいくつか取り上げていきます。    更科:萌えはポルノなんですが、お二人が考えているところのポルノとは違うんですよ。       だから、なぜポルノだということを隠したがるのかと言えば、       要は「プレイメイト系のポルノとは違うものだ」ということが言いたいわけです。       萌えは子供の感覚のままのエロ≠セから。    高橋:ああ、「大人のセックスではない」ということが言いたいわけだ。    更科:そうです。       小学生レベルというか第二次性徴期以前のエロ概念を、       そのまま大人のフィールドに持ってきたのが、今の「萌え」なんだと思います。   (中略)    更科:僕は、オタク向けエロマンガの編集者をやっていた頃、       自分の仕事を不能者向けのポルノメディア≠ニ言っていたことがあるんですけど、       もっと正しく言うと子供のエロ≠ナすね。       だから八歳とか一〇歳くらいの、精通が起きるか起きないかぐらいのガキのエロ感覚を、       そのまま持ってくるのが「萌え」なんです。       四〇歳くらいの男でも、今はそういう感覚のものでないとグッとこない人がいますからね。    中原:それは病気じゃないですか。       収監すべきですよ、そんな人は。   一般的にはエロと判断されないモノからエロを感じること、   それがオタクの萌えであるとTissは考えています。   萌えを直截簡明なエロであるポルノと等価に見なすことはできないでしょう。   少年時代に見過ごしていたモノを再評価することで発現する萌えもありますから、   ある意味子供のエロ≠ニいう表現は的外れではありませんが、   当然、萌えは「ガキのエロ感覚」とは一線を画しています。    更科:報道とかで個人の記憶がフレームアップされているフシはありますね。       あと、結局、昔の迫害の記憶≠ナ結束して作られたコミュニティだから、       必然的にオタクは絶えず外からのバッシングを必要とし続けるんですね。       バッシングがなくなると集団としてのまとまりが維持できない仕組みになっているというか。    高橋:それはオウムと一緒ですね。    更科:ええ。       オタクが一種のカルト集団として機能しているのは事実ですから。       うがった言い方をすれば、       学生運動や創価学会が若者に支持されなくなったのと反比例して台頭したわけですし。    高橋:「外部から迫害されている」という被害者意識で結束していて、       自分たちは純粋だと思い込んでいて、というのはまさにカルト集団としか言いようがない。   「まさか」と思っていたことをメインストリームにする楽しさを味わうために、   あるいはオタクの中での流行に乗り遅れないために、オタクは同じ行動を取ることがあります。   「オリコン1位計画」は、その典型例と言えます。   オタクが団結して外部へアピールしていることに不安を感じたのかもしれませんが、   それにしてもカルトと同一視するのは酷いですね・・・。   オタクは強固な理念を共有しているわけではありませんし、   オタクには基本的に上下関係が存在せず、特定の指導者もいません。   学生運動や創価学会の代替と見なすのは乱暴なこじつけです。    更科:まあ、幼稚ですね。       基本的にオタク向けの商売って、一〇歳児の感覚で相手をしないといけないと思うんです。       部分的には大人ですけど、性的な要素が絡んだ部分はだいたい子供で、       それが行動の動機になっているケースが多いですから。    高橋:今、脳内に、ポルノ好きの一〇歳児が「僕一〇〇点!僕一〇〇点!」って       テストを振りかざしながら襲い掛かってくるイメージが浮かびましたよ!    更科:ポルノ好きの一〇歳児だけど実年齢は四〇歳(笑)。       そこがいわゆるサブカルチャーとも違うんですよ。       サブカルチャーは第二次性徴直後の中学生くらいじゃないですか?       中学生がちょっと背伸びしてギター弾いてみたとか、       そのレベルがサブカルチャーの行動原理だと思うんです。    高橋:ああ、よく知りもせずに「イギリスではこういう音楽が流行っているらしいぜ」とか、       そういう感覚ですね。    更科:まあ『木更津キャッツアイ』とかを観れば分かりますけど、       ヤンキーと地続きのサブカルチャー(笑)。       でも、オタクって精神年齢がそこまで達していないんですよね。       普段は普通に社会人やっているのに、趣味が絡むと小学生のレベルのことで喧嘩したりする。   ひとたびツボにハマれば馬鹿みたいに盛り上がるオタクですが、   結構シビアに批評するきらいがあり、   アピールポイントが萌えだけだとあまり売れませんし、すぐに飽きられてしまいます。   見る目が肥えているオタクは一〇歳児よりも深く作品を味わっています。   「一〇歳児に受けそうだからオタクにもきっと受けるはず」   といった甘い見通しでは、失敗するのが関の山です。   普段は普通に社会人をやっているけれど、趣味に関しては好奇心旺盛かつ熱狂的なオタク、   いいじゃないですか、人生を謳歌していると思いますよ!    高橋:ずっとモヤモヤしてたんですけど、       現在の平均的なオタク像というのはどういうものなんですか?       どんな職業についていて、一日のタイムテーブルはどうなっているのか。    更科:平均はよく分からないですね。       というか、恐らく平均が何パターンかあるんですよ。       高偏差値系のオタクと、低偏差値系のオタクと、あとは年齢層でもずいぶん変わるので。    高橋:一番人数が多いのはどの層なんですか?    更科:オタクを自認している人で一番多いのは、       高卒もしくは専門学校卒で現在はニートな二〇代か、       TRPGや少女マンガにハマって受験戦争からドロップアウトした経験のある       三〇代のSEやプログラマー。       だいたいこの二つじゃないかな。    高橋:大学生は?    更科:大学生もいます。       ただ、ネット上の声は大きいけど人数的には少ない。   これは本当でしょうか?   様々な層に幅広く存在していると思うのですが・・・。   ただ「ネット上で学生の声が大きい」というのは事実だと感じています。   数多くのアニメが放映され、その関連商品が溢れている今、   オタクとしてネットで発言するには、かなりの時間的&金銭的余裕が必要となりますが、   社会人よりも余暇に恵まれ、保護者から生活援助を受けている学生は、   オタクになるための条件が調っていると考えられるからです。   何事もソツなくこなせる優秀な人間は、キャリアアップとオタクライフを両立できるはずですから、   オタク化の代償で、いわゆる負け組に転落すると、結論付けることもできないでしょう。    高橋:風俗もあんまり行かないんですよね。    更科:コスプレ風俗みたいな店にしか行かない人も多いですね。       コスプレ風俗に行っても、本番がないから別に楽しくないだろうという気がしますけど。       オタクはあまりセックスそのものには興味がないのかもしれない。    高橋:じゃあ、どういう快楽に興味があるんですか?    更科:バーチャルエロ。    高橋:なるほど、マンガやアニメのエロ描写が快楽なのか。       ……オナニーしかしないのか……。    更科:だから、普通の男が風俗店や彼女(恋人)につぎ込む金を、       オタクは全部エロマンガとエロゲーにつぎ込む。    高橋:それはずいぶん殺伐とした風景ですね。   オタク寄りの思考を持つTissには、   むしろ風俗店や彼女に金をつぎ込む方が殺伐としているように感じるのですが・・・。   オタクがエロ漫画やエロゲーを買うのは、セックスへの興味を捨て切れないからです。   本音では、ほとんどのオタクは彼女が欲しいと思っています。   でも、女性は男性の経済力を重視しますが、金がかかるオタク生活を続けながら、   彼女の期待に応えるのは、かなり難しいことです。   両者を天秤にかけた上で、オタクになることを選択した人が結構いるのではないかと思います。    高橋:「非モテ」って言葉も最近やたら使われるけど、モテない人が悩むのは有史以来のことで、       何もとりたてて騒ぐようなもんじゃないと思いますね。       まったく普遍的なことなのに。    更科:僕と下の世代のオタクと話していて、首をひねるのはそこですね。       そもそも、そういうモテ/非モテ問題から離れたいからオタクの道を選んだんじゃないの?       って。   逃亡手段としてのオタク化は、大抵の場合、言い掛かりに過ぎないと思います。   オタク化の根本的な動機は「アニメや漫画が大好き」、これに尽きます。   正しい価値観を持っていると信じている人間は、一般常識に馴染まないタイプの人間に、   「現実からの逃亡」という悪印象を植え付けたがるものです。   女性恐怖症が高じてロリコンになった人がほとんどいないのと同様、   モテないからオタクの道を選んだ人も、実はそんなにいないと思います。    中原:プロレスはオタクならみんな好きなんでしょ?    更科:昔はオタク趣味の主流だったんだけど、最近は全然人気ないですね。       今は一般的なレベルでも総合格闘技になってますから。    高橋:相撲は好きじゃないんですか?    更科:相撲は全然ないですね。    高橋:全然ないんだ(笑)。       野球はどうですか?    更科:オタクは野球嫌いです。       なぜかと言うと、野球中継でアニメの時間がずれるから。    中原:それ面白いなあ。   Tissはプロレスのエンターテインメント性や総合格闘技の演出が好きになれません。   でも、相撲は大好きです。   可能な限り中継放送を見ますし、深夜のダイジェスト番組も録画しています。   Tissは野球も大好きです。   時々ですが、球場にも足を運んでいます。   ・・・Tissがオタクになったら、スポーツの趣味も変わってくるのでしょうかね?    更科:男のオタクは三次元だと声優に行きますね。       モーニング娘。にすら行かないんですよ。       たまに高偏差値オタクでBerryz工房あたりに行くマニアックな人はいるけど、       オタクの間では「モーオタ。はDQNの巣窟」という認識になっているんです。    高橋:そうなんだ!       すごく勉強になるなあ!(笑)    中原:オタクもAVを観たりするんですか?    更科:AV、微妙ですね。       秋葉原でAVを扱ってる店の人に訊いたことがあるんだけど、       売れる内容が偏っているらしいんですよ。       コスプレAVとか手コキものがやたら売れるって。       特に手コキがすごく売れるらしい。    高橋:他人が手コキされてるのを見せられてもなあ。       絶望的な気分にならないんですかね。   いや、その理屈はおかしいですよ。   他人が手コキされてるのを見て絶望的な気分になるならば、   他人が挿入&ピストンしているのを見たら、死にたくなるということですね?   では、どうしてアダルトビデオは爆発的に普及しているのでしょうか?   日本人男性がマゾヒストだから?   アダルトビデオが流通しているのは日本だけですか?   深く考えもせず、ノリで発言するのは好ましくありません。   宴席で口走るならまだしも、書籍で発表するとなると、言葉は慎重に選ぶべきです。    高橋:アニオタでありつつ、アニメ以外の映画もたくさん観ている人はどのぐらいいるんですか?    更科:昔のオタクにはそこそこいたと思うんです。       たとえば『映画秘宝』にも寄稿している眠田直さんとか。       昔のオタクにとっては実写映画も教養のひとつだったから。       眠田さんみたいな人もいたけど、今のオタクにはあんまりいないと思います。    高橋:アニメしか観ないってこと?    更科:ええ。       で、本はライトノベル系しか読まない。       あとはまあ、せいぜいオタクサブカル系書籍の一部ぐらい。       で、読むマンガは福本伸行や荒木飛呂彦、山口貴由みたいに極端な「男」マンガを除くと、       萌え系とエロ系だけ、なんて人は結構います。    高橋:息苦しくて死にたくならないんですかねえ。   アニメや漫画が過剰供給気味の現代では、他の趣味に割く時間が少なくなっていると思います。   「ややもすると視野狭窄に陥ってしまうのではないか?」と心配する気持ちは分からなくもありません。   しかし「読む本はライトノベル系とオタクサブカル系の一部のみ」   「読む漫画は極端な男漫画以外だと萌え系とエロ系だけ」というのは誤解だと思います。   仮にそれが正しかったとしても、息苦しくて死にたくなる理由が分かりません。    更科:客観的に見ればみんな同じ萌えオタ≠ネんですけど、       たとえばTYPE-MOONのファンはkeyのファンを差別するし、       keyのファンはTYPE-MOONのファンを差別する。       実際はどっちも同じようなエロゲーのメーカーなんですけど、       萌えの方向がちょっと違うだけで争いが起きる。   互いに「○○厨」と蔑み合っている所はよく見かけますね。   諍いが醜いというのは同意ですが、   だからといって、外からあれこれ口出しするのは御節介が過ぎると思います。   別に自分が被害を受けるわけではありません。   黙って放置すればいいのです。    高橋:今後、さらにオタク人口は増加するんでしょうか。       つまり、今の若い子もどんどんオタクになりつつあるのか、ってことですが。    更科:まだ増えていくとは思いますけど、良くも悪くも「薄まっていく」ような気はします。       まあ、スクールカーストの問題があるから、       学校内での地位の低い人間は必然的にオタクになっていくんですけど。   スクールカースト?   何それ?   「学校での地位の低さ」と「オタクになること」に、どんな因果関係があるのでしょうか?   『マンガ嫌韓流』を意識しているらしいので、わざとやっているのかもしれませんが、   悪態としか言いようが無い記述も散見されました。   とりわけ中原昌也(敬称略)の発言は、笑えるほど感情的で悪意に満ちていました。   恐らく、本書の娯楽性を高めるためにピエロ役を演じていたのでしょう。   実際にこのような人を相手にすれば疲れ果ててしまうと思いますが、   対岸の火事のようなスタンスで見る分には、かなり楽しめると思います。   以上!