黒髪愛好論
  黒髪愛好論   私は黒髪が好きだ。   黒髪は太陽光を浴びて、深みのある艶を描き出すからだ。   しかしながら極端な黒髪フェチというわけではない。   茶髪や金髪にもいい所はたくさんあることを、私は知っている。   私の場合、「黒髪が好き」という思いより、むしろ「染めた髪が嫌い」という思いの方が強いのだ。   生まれながらの黒髪は日本人の個性である。   それなのに日本人はやたらと染めたがる。   特に若者を中心に染めることが流行している。   髪の色を変えて他人の髪の色と区別することが個性だと考えているようだ。   だが韓国人や中国人の髪を見て欲しい。   染めている人がそんなにいるだろうか。   少なくとも私がテレビなどで見る限り、その数は極めて少ない。   では彼らは没個性的なのであろうか。   いや違う。   そもそも元来持っている髪の色そのものが人種レベルでいう個性なのである。   それなのに日本人は髪を染めることで個性が生まれると勘違いしている。   ではなぜ日本人は髪を染めるのか。   それには2つの理由が考えられる。   ひとつは日本人は没個性的という昔からある通説に対する反感である。   このために髪を染めるものは、友人などに「個性的な色やねェ」などと言われると喜ぶ。   彼らにとって髪を染めるとは、没個性的であると思い込んでいる自分自身に対するコンプレックスを   打ち破るための苦肉の策なのである。   はっきり言って哀れの一言に尽きる。   だが最近の若者にはこの理由は当てはまらないことが多い。   もはや没個性という言葉自体が死語になりつつあるからだ。   ふたつめの理由は、(理論があまりに幼稚過ぎるので、中略しました)   これからもこの風潮は加速していくと思われる。   情けないことだ。