ガールズ・セラピー 第1話
ガールズ・セラピー 第1話
私の名前は樋口彩湖(ひぐちあやこ)といいます。
○○小学校の5年生です。
ガールズ・セラピーのことはクラスメートの暇凛(いとまりん)ちゃんに教えてもらいました。
すごく大変で難しそうだけど、やりがいがありそうだなと思いました。
私は将来、福祉関係の仕事に就きたいと考えています。
勉強になればと思い、2年ほど前から様々なボランティア活動に参加するようになりました。
最初は言われたことをこなすのに精一杯で、機械的に動いている感じでしたが、
周りの人たちが「偉いねー」「賢いねー」と笑顔で褒めてくれるのを見聞きしているうちに、
ボランティア活動そのものを楽しく思うようになりました。
これまでにやってきたボランティアは、公共トイレの清掃とか、
募金の呼びかけとか、図書館の本の整理とか、公園のゴミ拾いとか、色々です。
幼稚園のお姉さん役なんかもしました。
どれも、終わった後は、とってもすがすがしい気持ちになりました。
参加して後悔したボランティアはひとつもありません。
だけど、最近は少し物足りなく感じるようになりました。
もっともっと人に感謝されたい、喜ばれたい、褒められたいと思うようになりました。
そんな時、凛ちゃんからガールズ・セラピーのことを聞きました。
活動内容を聞いた時は、こんなすごいことをするボランティアがあったのかと、驚きました。
凛ちゃんがこんなボランティアをやっていたことにも驚きました。
同時に、自分も是非やってみたい、やればこの物足りなさが解消されるかもしれない、
いやきっと解消されるに違いないと思いました。
ちゃんとできる自信はありません。
研修があるそうなので、そこでしっかり技術を身に付けたいと思っています。
どうか私をメンバーに加えて下さい。
よろしくお願いします。
・・・こんなもんでどうかな??
放課後の教室。
私の作文を読んでいる間、凛ちゃんは一言も喋らなかった。
腰まで伸びたツインテールがとっても魅力的な、ムードメーカーの凛ちゃん。
でも、目の前にいる女の子は、私の知っている凛ちゃんとは、まるで別人のようだった。
私はその沈黙に耐えられず、せかすように聞いてみた。
うん、うん、完璧だよ!
すぐに、はつらつとしたあの笑顔が返ってきた。
どうしても出来が気に入らなくて、何時間もかけてようやく仕上げた作文。
私は小さくガッツポーズをした。
面接は今週の土曜日だったよね?
うん、そう!
この作文は、その時に提出すればいいの?
そうそう!
これが無いと面接を受けられないから、忘れないでね!
運命の日は近い。
そう思うと、期待と興奮で身体が熱くなった。
不安はほとんど無かった。
私には2年間のキャリアがある。
素人じゃない。
大丈夫、きっとやれる。
ところで研修ってさ、具体的にどんなことをするの?
んん〜〜秘密っ!
ま、何となく想像はつくけどさ。
ガールズ・セラピー。
活動目的は「セックスによって人々の心と身体を癒すこと」。
エッチなことをするのは分かりきってる。
凛ちゃんはさあ、どうしてこのボランティアを始めたの?
はい、それも秘密です!
ちぇっ、聞きたかったのにな。
ただ単純にエッチがしたかったのかなあ?
でも、興味で半年も続くかなあ?
予想以上に気持ち良かったのかなあ?
でも、好きか嫌いかも分からない初対面の人間相手で、そんなに気持ち良くなれるのかなあ?
う〜〜ん、謎だ。
実はさ、応募のきっかけって、タブーになってるんだよね〜。
えっそうなの?
私も他の人が始めた理由、知らないもん。
ま、人には人の事情ってもんがあるってことね。
それからも色々質問してみたけど、凛ちゃんは「秘密」を繰り返すばかりだった。
なんか口止めされてるっぽかった。
まあ内容が内容だけに、仕方ないか。
分からないでいた方が面白いかもしれないしね・・・。
夕焼けで教室が赤く染まり始めた頃、凛ちゃんに別れを告げ、足早に教室を出た。
顔に出さないよう、気を張っていたが、もう限界だった。
会話のたびに妄想が加速して、下着は既に重たくなっていた。
一刻も早く予習がしたかった。
自室のベッドに突っ伏し、ひたすら指を激しく動かした。
ネチョネチョの快感が脊髄に響き、自然と笑みがこぼれた。
『ガールズ・セラピー・・・きっと私の心を満たしてくれる』
自分に止めを刺すべく、私は突起物をギュッと押し潰した。
その日訪れた絶頂は、間違いなく過去最高だった。
Bさん、こないだ言ったボランティアマニアの友達、ノリノリだったよ。
さっきまで教室で話してたんだけどさ、明らかに感じてたよ。
ずっとモジモジしてたもん。
今頃、家でオナニーしてるんじゃないかなあ。
彼女は絶対戦力になると思う。
だから合格させてね。
そんで、私に指導役をやらせて下さい。
セックスも勉強と同じで、教えることが最大の上達法なんでしょ?
私、もっともっと上手くなりたい。
お願い、ねっ?