Tissのエロ漫画レビュー 『た行』
  Tissのエロ漫画レビュー 『た行』   ◇たまちゆき   ★WHITE LOLITA   初版発行:2005年9月30日   まるで一昔前の少年漫画のような古臭さ漂う画が、エロ漫画としては致命的な欠点となっています。   年齢に応じて外見が変わらない所(ロリ系とロリを区別しない所)も気に食わないですね。   少女の美は少女特有のもので、成長に伴って変質していくものだとTissは考えていますが、   作者には小学校高学年も中高生も同じように見えているようです。   はっきり言って理解に苦しみますし、些か腹立たしく思います。   ただし、登場人物の表情が非常に豊かに描けている点と、作画が安定している点は好印象でした。   ギャップを楽しめる人間なら有効活用できるかもしれません。   また、同世代のカップリングが大半を占めているので、   自分の思い出と重ね合わせれば、より感情移入が進むと思います。   ■ ベターエピソード ■   ●塾の帰り道   『刺激って…擬似レイプなの!?』『今までのより全然激しそうじゃん〜〜!』   「にひひ♥」   『そっか……』『私……今夜…犯されちゃうんだ……』   塾の帰りに夜の公園で息抜きをしていた少年2人と少女1人。   マンネリを感じた少年達が提案したのは「レイプごっこ♪」だった・・・という話。   塾に通っていた人なら、一度はこういう妄想をしたことがあるのでしょうね。   大学浪人になって初めて予備校に通い始めたTissには、特別な感慨は得られませんでした。   ●発情部屋のお勉強会   「ここ…汗とか息とか……」「貴士のニオイでいっぱいで……私……」   「あっ…頭…ボーっとしてきたぁ……」「ふ…ふわァ あァ……」   掲載作の中で、少女のリアクションが一番いい感じでした。   小学校時代から既に相当エロかったTissですが、   仮に友達のセックス現場を覗き見る機会に恵まれたとしても、   半ば引いてしまって直視できなかっただろうと想像します。   しかし、そういう状況で好きな少女に誘われたら、即座に襲い掛かっていただろうと思います。   少女から誘われるのがTissの理想ですね、今も昔も。   ●ピュアな2人の交換日記   「これだけ長く付き合っててオレたち 男女間の淫らな行為は一切してないんだぜ!?」   「そうよ!私まだ処女なんだからね!?」   実に面白そうな遊びをしている、自称「ピュア」なカップルの話。   これぞまさしくバカップル!   気持ち良く笑わせていただきました。   精液を一晩寝かしたら、実際はどうなるのでしょうね?   臭いがさらに強烈になり、粘性も強化されそうな気がします。   考えるだけで恐ろしいです。   ◇茶否   ★ちっちゃいな♥   初版発行:2006年2月10日   1冊目の単行本『少女絶対主義』は、全くひどい有様でした。   話もダメ、画もダメ、まるでダメ。   Tissのエロ漫画ランキングでは、ワースト5入りが確実です。   あの作家が、まさかこれほど化けるとは・・・!   ラスト2編は『少女絶対主義』の面影を残していますが、   先の8編は、セックスの見せ方、表情の描き分け、少女のキャラ作り、話の展開、   それら全てが格段にレベルアップしています。   擬音や喘ぎ声をコマ全体に配置することで切迫感を演出している点は、   やや乱雑な印象を与えるため、評価が分かれるかもしれません。   ネット上ではあまり評価されていませんが、個人的には今後のさらなる活躍を期待しています。   ■ ベターエピソード ■   ●ずっとず〜っと   「ホラちゃんとつかまれって」   「だって力が入らないもん♥」   「誰かさんが優のまんこで大暴れしたから♥」   「けしからんな こんな小さい子に」   「こんな可愛い子供にチンコ入れるなんて なんという悪逆非道♥」   「はんざいしゃー♥」   「ぺどやろー♥」   兄×妹。   引用箇所は“ハメっぱなしだっこ”で移動中の会話。   ひたすら幸せ一杯なので、読み進めれば自ずと顔がニヤけてしまいます。   しかも、体位のバリエーションが豊富で、抜きどころも満載。   文句の付けようがない傑作です。   ●隠恋慕   「ここまで焚き付けといて おあづけもないだろ?」   「あーコラ こすりつけたらあかんて!」   「そないされるとウチ…感じ過ぎてまうやん」   関西弁少女が超エロ可愛い。   初々しい反応なのに、セックスは濃厚、堪らん。   エセではなく正しい関西弁を話している点も好感が持てました。   ●ままごとアドバンス   「――パパとママがえっちして さやかができたんだよね?」   「あぁ そうだな」   「じゃあパパとさやかがえっちしてどうなるか わかる?」   「さあな? さやかは生理まだだし 妊娠の心配はないし……」   「幸せになるんだよ」   父×娘。   母の浮気現場を目撃して傷付き、父親に甘える娘が、ヤバいくらい可愛い。   こんな娘ができるなら、結婚もいいな、と思ってしまいました。   ★おるすばんはせつなくて   初版発行:2007年3月10日   前作『ちっちゃいな♥』よりも全体的に年齢が上がり、胸も膨らみました。   絵柄は安定感を増し、漫画の癖も変わっていません。   前作が気に入れば、購入して損はないと思います。   ただし、背景に重さを感じる話が増えてしまい、読者の心理的負担が大きくなっています。   もう少し具体的に言うと、男の身勝手さや少女の憂いを意識させる話が増えてしまい、   それがノイズとなって、エロ漫画として気兼ね無く利用することを躊躇わせています。   作風の幅が広がった・・・とも解釈できますが、個人的には評価を落とさざるを得ません。   あと、これは前作でも言えることですが、   茶否は少女の年齢に応じてきっちり描き分けするタイプの作家なので、   ストライクゾーンが狭い人は、使える話と使えない話が出てくるかもしれません。   その点は覚悟しておいた方が良いと思います。   ■ ベターエピソード ■   ●アニカエル   「足 舐めてくれたら 続けてあげる♥ あ? ホントに舐めるんだぁ♥」   「そこまで がっつかれると ひいちゃうなぁ もう 必死すぎ」   「もう こんなヘンタイ これで充分だよ」   「あ コラ」   「ほれ♥ ほーれ♥」   「やめっ……」   「あれぇー? 何? 大きくなってなーい? あはははは」   「このロリコン シスコン 死ね♥」   「こらっ あっ」   「死ね♥」   「やめなさ…あっ」      兄×妹。   かつて肉体関係を持ったことのある兄妹が、久々の再会。   兄は妹に遠慮して実家を離れても彼女を作らなかったが、   妹はそんな兄を笑い飛ばし、挑発する。   再び去っていく兄を元気良く送り出す妹。   一人になるや、静かに涙を流し始める妹の姿が、ひどく切ないです・・・。   ●えろばれ   「全部入ったよ」   「あ…彩のはじめて……真也君に奪われちゃった♥」   「唇も奪っちゃう」   「んむーーーっっ♥」   「えへへ♥ 少し恥ずかしいや」   「…だね♥」   「もっぺんちゅー♥」ちゅ「んーもっかい♥」ちゅ   幸せオーラ全開!   悶絶必至!   これだよ!   Tissが茶否に期待しているのは!   ●153000   「な…奈緒ちゃんの 絞り取られる様に きゅうきゅうだ」   「吉田さんのが 大きすぎるの♥ ほら スーツ シワになっちゃうよ」   「構わないって 着たままの方が 燃えるんだよ 奈緒ちゃんを 服着たまま ドロドロに したいんだから」   「もぉ 吉田さんのヘンタイ♥」   これは背景とか考えたら負けです・・・が、やっぱり気になります。   奈緒ちゃんに境遇を悲しむ素振りが窺えないのが、救いですね。   これで泣き付かれでもしたら、居た堪れないですよ。   奈緒ちゃんがノリノリだからこそ、エロ漫画としてギリギリ成立しています。   難しいテーマに挑戦した勇気は高く評価したいと思います。